溜まっていたポイントでゲットしました。大好きなルイス・コンフォート・ティファニー作のステンドグラス「3連の窓(白いマグノリア)」(1885年頃制作)のデザインを元にしたマグカップです。
オリジナルのステンドグラスは、現在は、アメリカはフロリダのウィンター・パークにあるモース・ミュージアムの所蔵です。
当時アメリカで開発されたオパールセントグラスという手法を花弁に見事に取り入れた秀作で、もともとニューヨーク市マディソンアベニュー72丁目のティファニーのメゾンの資料図書室にあった大きな出窓用にデザインされたものだそうです。その後、約40年たってNY州のロングアイランドにあるティファニーの別荘、ローレルトンホールのダイニングルームに移されました。ルイス・ティファニーは、このマグノリア(モクレン)のステンドグラスを自作の中でも最高作の1つと考えており、ローレントンホールをミュージアムとして公開するに至りました。
オパールセントグラスの発明者はジョン・ラ・ファージで、ティファニーの師であり後にライバルとなる人でした。オパールセントグラスの製造の特許はラ・ファージが獲得しましたが、それを、こうしたステンドグラスとして完成させる手法は、ルイス・ティファニーが開発し、その特許を取りました。この特許取得合戦?でのティファニーの勝利によって、元は師であったラ・ファージは凋落します。ティファニーは、重量のあるオパールセントグラスを固定するのに、鉛で木の枝をめぐらせ重量を分散させています。計算された構造上の機能性と、リアルで自然な植物の枝ぶりの表現との両立。ルイス・ティファニーのデザイナーとしての才能の煌めきを感じます。