私自身茶道講師なので、これまで様々なグレードの袱紗を使用してきました。今回は息子が茶道を始めるに当たり、先生から「匁数」を指定されての購入でした。これまで袱紗は、全て実店舗で触り心地や厚さ、なめらかさなどを吟味してから購入していたので、値段はこの商品に最低1,000円はプラスでした。安価な製品が手に入った、という意味では多少は思うところありますが、正直8匁だから悪いのか、薄いです。素人に袱紗さばきをさせるにしても、この薄さだと「ちりうち」がキレイに決まらず、敢えて少々力を入れないといけません。表千家なので、ムダに力を入れるその「力み」は、お点前の中での自然さを失い、ひいては茶風自体が肩肘張ったものになりそうで少々不安です。
この商品自体が「入門/お稽古」とありますので、商品の謳い文句には間違いはないかと思います。ただ、袱紗は正直、最初からあまり低ランクのものを使い慣れてしまうと、いざ塩瀬の分厚いもの(徳斉さんのとか、十職の手の物とか)を手にする時が来た時、「さばけない・ふくらむ・落とす」という様な事もありますので、この商品は正直お勧めしません。また見た目も、ツヤというか上品さはないので、間違えてもお茶会用には使えません。あくまで練習用、しかも『初手が着く』までの間の短い期間しか使えない様な練習用です。子供用だから安いのでも良いだろう、と考えた当方の痛恨のミスでした。