|
カテゴリ:優待株について
さて 前回は絶対基準優待バリュー株のこれまでの変遷についてみた わけですが、今日は今の4代目である8591オリックスに優待廃止や株価急騰などの「一大事」が発生して、その資格を満たさなくなったXデー襲来時の次の「5代目候補」について考えてみようと思います。
その前にまずは、「絶対基準優待バリュー株の定義」をしておきましょう。言語化したことがこれまでなかったですからね。思い付くままに箇条書きにしてみます。 1. 指標的に十分に割安であること、同時に「配当+優待」の総合利回りが高いこと。これがそもそもの私が以前から提唱している「優待バリュー株」の定義なので、この2つを満たすのは当然と言うか前提条件となります。 具体的には PBR×PER=グレアムのミックス係数 が、グレアム先生が提唱した22.5の半分の11.25以下であることが必要です。日本株は世界的に見て激安なのでこのくらいにしないと銘柄が絞り込めないからです。また総合利回りについては4.0%は欲しいです。その理由は自分の過去20年間の経験から、この4.0%が優待族的に「株価の岩盤」として働くことが多い水準だからです。ただし、2021年現在は特に中小型株市場が冷え込んでおり、今だと5.0%は欲しい所です。 2. 過去の長期間の業績推移が安定していて、「リンディ効果」を期待できる銘柄であること。ちなみにリンディ効果と言うのはウィキペディアによると以下の通りです。 テクノロジーやアイデアなど、腐りにくいものの将来の平均余命が現在の年齢に比例するという理論上の現象です。したがって、リンディー効果は、何かが存在するか、または現在使用されている期間が長いほど、平均余命が長くなる可能性が高いことを示しています。 つまり、時の試練に耐えて10年、20年とずっと黒字を続けて利益を積み上げてきている企業は、この先も更に10年、20年とずっと黒字でしっかりと稼ぎ続けることが期待できるということです。なのでそういう銘柄が好ましいよね、という事です。そして今の4代目のオリックスは「過去56年間ずっと黒字」です。半端ない安定感ですね。 ちなみにちょっと余談になるのですが、この「リンディ効果」は株の銘柄選定だけでなく人生のあらゆることについてほぼ完璧に当てはまります。私はずっと昔からこれにぼんやりと気付いていたのですが、20年前に投資家になってからそれは「確信」に代わり、今では実際に日々の様々な重要な決断時に多用&愛用しています。 具体例をいくつか挙げましょう。 彼氏彼女の選び方(過去に同じ人と誠実に長く付き合ってきた方は、今後もそれが期待できる。) 車の選び方(頻繁にモデルチェンジしない車は今後も市場で永くその商品価格を維持しやすい。代表例は先日39年振りに全面改良してフルモデルチェンジした「1代目にクリソツな2代目」 メルセデスベンツGクラス 。ちなみにメルセデスベンツ本社は「これは決してフルモデルチェンジではない。Gクラスは当社の最も大切なアイデンティティであり変わることは絶対にはない。ただのちょっとしたマイナーチェンジに過ぎない。」と強く言い張っているのだが、これは明らかに会社側がリンディ効果を意識しているためと考えられる。また日本車だと スズキのジムニー が当てはまる。) 聞く音楽の選び方(例えば、1970年代や1980年代のアルバムで今でも名盤とされているものは、今後も更に40年、50年と愛聴出来るポテンシャルが高い。洋楽のTOTOとかスティーリーダンとかが当てはまる。)などです。 3. 過去の自分の経験上、結果として大きく勝てる株と言うのは、「指標的に割安でかつ同時にマイルドではあっても着実に成長を続けているか、もしくはあまり成長していなくても利益率が非常に高い美味しいビジネスをしているかのどちらかの性質を持っている。」ことが多い。これはつまり、バリュー株であり同時にクオリティ株であるということになる。そういう、バリュー&クオリティの2つの統計学的な優位性を併せ持つ銘柄であることが必要である。 4. これは絶対必要なものではなく出来ればくらいのものですが、優待内容がクオカードなどの金券系ではなく、自社製品などの「会社に根差した内容」であることが望ましい。その理由は2つあって、金券系優待は廃止の確率が高いことと、もう1つはオリジナル性のある優待の方が市場で高く評価されて高株価が付きやすいからです。 このくらいでしょうか? それでは長くなりましたので、今日はこのくらいで。(更に第3部へ続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 26, 2021 07:20:06 AM
[優待株について] カテゴリの最新記事
|