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《櫻井ジャーナル》

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2024.06.01
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 犯罪組織と同じように、シティやウォール街を拠点とする西側の支配システムは「暴力」が基本になっている。暴力で威圧し、従属させようとしてきた。そのため、映画で「アメリカは強い」というイメージを世界の人びとに植えつけるだけでなく、見せしめのために弱小国を破壊することもある。この構図が崩れ始めている。

 1991年12月にソ連が消滅した時、ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと認識、92年2月には国防総省のDPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇計画を作成した。いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」だ。その中でドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込み、新たなライバルの出現を防ぐことが謳われている。

 それに対し、細川護煕政権は国連中心主義を打ち出したものの、ネオコンの怒りを買い、1994年4月に倒された。同年6月に自民、社民、さきがけの連立政権が誕生、村山富市が首相に就任して抵抗する。

 そうした動きをネオコンのマイケル・グリーンとパトリック・クローニンはカート・キャンベル国防次官補(当時)に訴え、95年2月にジョセイフ・ナイは「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表する。そこには、10万人規模の駐留アメリカ軍を維持し、在日米軍基地の機能を強化、その使用制限は緩和/撤廃されることが謳われていた。沖縄ではこの報告に対する怒りのエネルギーが高まり、3人のアメリカ兵による少女レイプ事件で爆発する。

 こうした中、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布された(地下鉄サリン事件)。松本サリン事件の翌月に警察庁長官は城内康光から國松孝次に交代、その國松は地下鉄サリン事件の直後に狙撃された。1995年8月にはアメリカ軍の準機関紙と言われているスターズ・アンド・ストライプ紙に85年8月12日に墜落した日本航空123便に関する記事が掲載された。この旅客機が墜ちる前、大島上空を飛行していたアメリカ軍の輸送機C130の乗組員だったマイケル・アントヌッチの証言に基づく記事で、自衛隊の責任を示唆している。この1995年に日本はウォルフォウィッツ・ドクトリンに書かれている通り、アメリカの戦争マシーンに組み込まれていく。

 中国ではアカデミーやビジネスの世界をアメリカは支配、ソ連消滅後にロシアの軍事力は弱体化したと考えたネオコンは全面核戦争に勝てると思い始めたようだ。そうした主張が​米英支配層と深い関係にある外交問題評議会(CFR)の定期刊行物「フォーリン・アフェアーズ」の2006年3/4月号に掲載された​。アメリカが近いうちにロシアと中国の長距離核兵器を先制第1撃で破壊する能力を持てるというのだ。



 この分析が間違っていることは2008年8月に判明している。イスラエルやアメリカを後ろ盾とするジョージア軍が北京で夏季オリンピックが開かれていた期間を狙い、南オセチアを奇襲攻撃したのだが、完膚なきまで叩きのめされたのである。

 イスラエルは2001年からジョージアに武器/兵器を含む軍事物資を提供、将兵を訓練しはじめている。イスラエルから供給された装備には無人飛行機、暗視装置、防空システム、砲弾、ロケット、電子システムなども含まれていた。

 当時のジョージア政府にはヘブライ語を流暢に話す閣僚がふたりいたことも知られている。ひとりは奇襲攻撃の責任者とも言える国防大臣のダビト・ケゼラシビリであり、もうひとりは南オセチア問題で交渉を担当しているテムル・ヤコバシビリだ。

 そのほか、アメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を2008年1月から4月にかけてジョージアへ派遣して軍事訓練を実施、同年7月にはコンドリーサ・ライス国務長官がジョージアを訪問している。南オセチアへの奇襲攻撃はその翌月だ。アメリカ政府の承認を受けての奇襲攻撃だったのだろう。

 アメリカはアル・カイダ系武装集団を使って2011年春にリビアやシリアへ軍事侵攻、同年10月にはリビアの破壊に成功、その際にムアンマル・アル・カダフィを惨殺している。

 カダフィ体制が崩壊した後、アメリカはシリアでの戦争に集中するのだが、バシャール・アル・アサド政権は倒れない。そこでリビアと同じようにアメリカ/NATOはシリアを直接攻撃すると言われ始めたが、そうした中、2013年9月に地中海からシリアへ向かって2機のミサイルが発射された。

 ところが、このミサイルは途中で海中へ落ちてしまう。イスラエルはミサイルの発射実験を行ったと発表するが、事前の警告はなく、ロシア軍がECM(電子対抗手段)を使ったと言われている。ドナルド・トランプ大統領が2度試みたシリアへのミサイル攻撃もECMを含むロシア製防空システムに阻まれた。

 2013年11月から14年2月にかけてアメリカのバラク・オバマ政権はウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒す。アメリカ/NATOはロシアに対する威嚇を開始、2014年4月にはアメリカ海軍の駆逐艦ドナルド・クックを黒海へ入れ、ロシア領に接近させた。

 ところが、その艦船の近くをロシア軍のSu24が飛行すると状況が一変した。ドナルド・クックはすぐルーマニアの港へ入り、その後、ロシアの国境には近づかなくなったのだ。ロシアでの報道によると、ロシア軍機は「キビニECMシステム」を搭載、ドナルド・クックのイージス・システムを麻痺させたという。

 こうしたことからロシア軍は電子戦でアメリカ/NATO軍を上回っていると言われるようになったが、その推測が正しいことは2022年にロシア軍がウクライナ軍を攻撃し始めてから明確になった。

 アメリカ/NATOはウクライナにロシア軍を攻撃させるため、武器弾薬を供給するだけでなく戦闘員も送り込んでいるが、HIMARS(高機動砲兵ロケットシステム)を含む西側のGPS(全地球測位システム)を使った兵器はロシア軍の妨害技術で無力化されている。これはウクライナだけの問題でなく、中国やイランを含む世界の国々が注目しているはずだ。

 攻撃能力の面でもロシアがアメリカを上回っていることは明白。「無敵のアメリカ」というハリウッドが作り上げたイメージは崩れ始めている。そのイメージを維持するため、アメリカ/NATOはロシアを核戦争で威嚇しているのだが、「受けて立つ」と返されている。楽勝するつもりで始めた戦争でアメリカ/NATOは窮地に陥った。「神風」が吹くとは思えない。

 アメリカ/NATOではウクライナにロシア領内奥深くを攻撃させろと叫ぶ議員が現れ、​ジョー・バイデン政権はウクライナにロシア領攻撃を許可したと伝えられている​が、それに対し、ロシア軍はリビウ近郊にあるヤボリブ訓練場を極超音速ミサイルのKh-47M2キンジャールで攻撃した。ここにはNATO諸国の教官やウクライナ軍の軍人300人以上がいたと言われている。今後、状況によってはウクライナの周辺にある軍事施設も目標になる可能性があるだろう。



 勿論、アメリカがロシアと並ぶ核兵器の保有国であることは確かで、自暴自棄になり、原爆を手にした当時に描いた計画通りに核兵器を使った場合、世界は破滅する。アメリカは自分たちが滅びることになれば、その前に世界を滅ぼそうとすると言う人もいるようだが、間違いではない。ジョー・バイデンは現在のアメリカを象徴する人物だ。











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最終更新日  2024.06.01 11:04:51



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